2016年3月2日水曜日

イーグルグリップ


早川です。

久しぶりにコラムを更新します。

柔術(というか着衣のある組技競技のすべて?)において、相手の道着を掴むために用いるグリップ、それはポケットグリップです。もちろんブラジリアン柔術教則本内でも説明しています。

カフグリップなどの呼び名もあり、柔道では「袋取り」として知られています。道着を小指側から握り込み、四指を絡め、引っ掛けて持ちます。親指は添えるだけでほとんど使用しません。

相手の袖口を掴む時の強力なグリップとして主に認識されていますが、実際には肘やその他の部位を持つ時もポケットグリップは用います(よって私はカフグリップとは呼びません)。

ガードポジションにおけるいわゆる「片エリ片ソデ」の組手の時もそうですし、クロスボディコントロールで押さえ込んで相手の腕を抱え込む時もそうです。

一方、ポケットグリップではない掴み方、有効でないとされる掴み方とはどんな掴み方か。柔術を長くやっているとポケットグリップ以外の握り方に違和感が出てくるので、逆にイメージできないという方が多いのですが、それはずばり「鷲掴み」です。イーグルグリップという名称はおそらく海外にはないと思います(笑)。

鷲掴みは、五本の指の力をほぼ均等に使う方法で、たとえば球体であるとか、または指が全て突き刺さって固定できるような物体であれば、威力を発揮します。ボーリングの玉などまさにそうです。しかし着衣を掴むのには向いていません。

初心者と柔術スパーリングをすると、よく肉ごと握られる経験があるかと思います。家に帰ってお風呂に入ると、二の腕や腿の内側が内出血していることがたまにあります。これは相手に鷲掴みされた為です。

鷲掴みは着衣を掴むにはグリップ力が弱いです。また相手の肉を掴んでしまうので、練習相手に嫌がられます。初心者のうちは、相手の道着を慌てて無造作に掴まず、落ち着いてしっかりとポケットグリップを作ることを意識すると良いと思います。