こんにちは、早川です。
アジアオープン2014が終わり、世界柔術2015における、いわゆる「アジアの1枠」は、加古選手が獲得しました。
アジアオープン2014が終わり、世界柔術2015における、いわゆる「アジアの1枠」は、加古選手が獲得しました。
芝本はすでに出場権を保持していたので、世界柔術2015は、芝本と加古選手、この二人のチャレンジがまず確定した事になります。
彼らは本当の意味での『日本代表』、いや『アジア代表』として世界に挑むことになります。がんばって欲しいですね。
IBJJFの新しいシステムについては、過去にもコラムで考察を書きました。
世界柔術の出場資格
実際に結果が出てみると、日本勢には厳しい現実が突き付けられたと思います。
日本のレジェンド柔術家の一人である吉岡さんですら、現時点では出場資格がありません。
アジアを終えたところで、他の日本人選手にまだ世界柔術出場の可能性が残されているかどうかを、さらに考察してみました。
まずアジア2014で2位に食い込めた日本人はどうなるか。
世界柔術2015の出場資格としては、アジア2014の2位には18点が与えられます。
これに加えて、パン2015か、ヨーロッパ2015で2位に入れば36点を獲得し、アジア2位と合わせて、世界柔術の出場条件である50点以上をクリア出来ます。
しかしこの2大大会で2位に入るというのは、世界柔術の「表彰台常連組と同レベル」の実力が要求されます。かなり高いハードルと言えます。
それではパンとヨーロッパで両方とも3位に入賞した場合はどうか。この場合、各12点、合計24点が与えられますが、アジア2位の18点と合わせても50点には届きません・・・。
そして2015年のシリーズは、過去の大会よりもさらにレベルが上がる事を考えると、この2大大会で3位に入るのも、相当高いハードルになると思います。
それでは、2015年の上半期に開催される、その他の国際オープンの1位ではどうでしょうか。これには27点が与えられます。
つまり国際オープンの1位を2回取れば、世界柔術の出場枠を得られるということです。私はこれが一番現実的な方法だと考えています。
しかもアジアでの成績はほとんど関係ありません。アジア2位でも3位でも、1回戦負けでも、国際オープンの1位x2回が必要という条件は変わりません。
上記の考察は、単に「出場資格を得る方法」の話です。出場出来るなら何でも良い、どんな方法でも良い、という考え方もあれば、出ることが目的化してどうする、優勝を目指さなければ意味がないだろう、という考え方もあると思います。
いずれにせよランキング制度が導入された以上は、規定ポイントを獲得しなければ、選手にどれだけやる気があろうとなかろうと、挑戦は自動的に終了します。
通常のIBJJFの年間予定では、アジア終了後から世界柔術までは、まだ7ヶ月ほどの練習期間が残されています。アジア後からの追い上げ次第で、国内のライバルとの実力差を埋め、世界の表彰台が見えてくるという選手も中にはいるかもしれません。
パン、ヨーロッパ、その他の国際オープン、どのようなレベルの国際大会であれ、転戦を重ねれば、その過程で相応の経験が積めるでしょう。
芝本が、世界柔術2011で初めてベスト8の舞台に立った時のことです。vsフェリペコスタ戦。最終日の会場は2面のみに再設営され、会場中の観客の視線を一点に集めながら試合が行われました。
この年、敗れはしましたが、芝本は「初日を突破し、世界のベスト8の舞台に立てたことの経験は何物にも代え難いです」と言っていました。芝本は、その時点での自分の実力を分析し、勝つための最善の戦術を取りましたが、結果として敗れてしまいました。
パン、ヨーロッパ、その他の国際オープン、どのようなレベルの国際大会であれ、転戦を重ねれば、その過程で相応の経験が積めるでしょう。
芝本が、世界柔術2011で初めてベスト8の舞台に立った時のことです。vsフェリペコスタ戦。最終日の会場は2面のみに再設営され、会場中の観客の視線を一点に集めながら試合が行われました。
この年、敗れはしましたが、芝本は「初日を突破し、世界のベスト8の舞台に立てたことの経験は何物にも代え難いです」と言っていました。芝本は、その時点での自分の実力を分析し、勝つための最善の戦術を取りましたが、結果として敗れてしまいました。
しかし世界柔術という大会すらも一つの経験の場とした芝本は、その後、実際にワールドクラスの風格を漂わせるようになりました。
また、国際大会の優勝、入賞実績を積み上げる事によりランキングが上がり、以降の大会では必然的にシード権が得られるようになり、序盤戦でベスト8グループ同士で激突することがなくなりました。これは大きいと思います。
あらゆる考え方があると思いますし、どのような取り組み方が正しいのかは、世界の表彰台に立った事がない私には、正直分からない部分ではあります。
「その先の世界」を語れる選手が日本には必要かなと思っています。
芝本には、その先の世界を見せて欲しい。そして今後の日本柔術家が指針とすべき、正しい練習のあり方、大会への取り組み方を示して欲しいと願っています。