ブラジリアン柔術教則本 サンプルページ
本作品、およびカリキュラムにおいては、「トライフォースにおける統一化、あるいは均一化された指導フォーマット」を私が明示しています。それ以上でもそれ以下でもありません。
何の事かと申しますと、このカリキュラムで私が示した指導方法は、金科玉条のごとき絶対的なものとして世に問うてるわけではないということです。当たり前ですが。
私の教え方は「数ある正解の中のひとつ」に過ぎません。もっと言えば「おそらく間違いではないであろう方法の中のひとつ」くらいに思って頂ければ幸いです。
何なら間違っている可能性すらありますので、より良き物にしていけるように、このカリキュラムの定期的なブラッシュアップが必要であると考えています。TF代表指導者のみんなの力を借りながら、それを行っていく予定です。
しかし今回、いずれにせよ初めてカリキュラムを統一し、均一化しました。そこに価値を置いています。トライフィースのインストラクターは、各員が独自の方法で基本テクニックを教えることはありません。
私が、アカデミーのインストラクター全員で共有すべきと考えているテクニックは、木で言えば根っこの部分、あるいは幹の部分だけです。
簡単に言いますと、みんながバラバラのやり方で基本を教えてたら生徒が混乱しちゃうから、どれでも良いんだけど、どれか一つの教え方にとりあえず統一しようぜ、ということです。
指導方法に共通フォーマットが存在せず、インストラクターごと、日ごとに基本コンセプトの教え方が変わってしまっていては、説明の整合性がなくなり、生徒が技術を正しく理解する事が難しくなります。
また指導フォーマットがなければ、インストラクターの個人の裁量に依存する部分が大きくなってしまい、アカデミー側がインストラクターに求めるハードルも必然的に高くなり、成り手が益々不足してしまいます。
アカデミーの代表者として、採用したインストラクターに対して「お前の好きにやってみろ!」と指示するのは、何となく格好良い感じはしますが、ようするに「こちらには育成ノウハウや方針が何もないから適当にやってくれよ」と言っているのに等しい行為だと思っています。
これらはもちろん、組織として事に当たる場合においての話です。1人でアカデミーの経営と全クラスの指導を行える状況であれば、そのようなフォーマットは必要ないかもしれません。帯やストライプの査定なども個人の裁量のみで問題ないでしょう。
しかしトライフォースにおいては、これから増えていく認可スクールとインストラクターの知識や技術、指導フォーマット、帯の評価基準などを可能な限り統合し、会員のみなさんに分かり易く示していくことを目指しています。
私自身、車の教習所などでも、昨日の教官と今日の教官の言っていることが違う場合に、納得が出来ずなかなか対応出来ないタイプでした。
初日の教官に「俺はハンドルはハの字では持たない(きっぱり)。」と言われて、翌日の教官の前でそれを行ったら激怒される的な。
学ぶ側からすれば、「お前なりのアレンジとかコツとかどうでもいいから、とにかく正しい方法を一つ教えてくれよ」と、私は常にそういう葛藤を抱えていました。
柔術におきかえると、ベリンボロのやり方は手や足の位置の違いで数えきれない程あるんだろうけど、エビのやり方くらい統一してくれよ。いやエビにも色々あるんだろうけど、まず無難なやつ1個教えてよ、ということになります。