2014年11月13日木曜日

ブラジリアン柔術教則本コラム(番外編) 無の構え


コラムもラスト2回です。今回は番外編です。

ブラジリアン柔術教則本には、その制作の最終段階において、すべり込みで加えることになったテクニックがいくつかあります。そのうちの一つが「構え方」です。

きっかけを与えてくれたのは、TF池袋の女性会員さんでした。

2014年7月21日、TFネットワークの交流戦である「TFチャレンジvol.6」が開催されました。その日、試合に初挑戦したその女性会員さんは、試合開始と同時に、全く構えることなく相手に向かって直進していきました。

それを見たトオル先生が「うおお、無の構えだ」と叫びました。まるでヒクソンvs西良典におけるヒクソンのようであり、私とトオルさんは失礼ながら笑ってしまいました。

と同時に私はあることに気付きました。

その方からすれば無理もないのです。構え方なんて教わった事なかったのですから。構え方について、私が通常のクラス内で言及することはほぼ皆無でした。

初心者にとっては、試合で相手と対峙したときに、どのように構えたらよいのか、これは重要な問題であり、全く笑いごとではありません。初心者用の教則本としては、欠かすことの出来ないピースであると気付きました。

その後、芝本らとも相談し、最もスタンダードな構え方を、教則本に一つだけ収録する運びとなりました。