2015年3月7日土曜日

セブンセンシズ


こんにちは、早川です。

「スパーリング中は呼吸のコントロールがとても大切だぞ」と今日一人の生徒に話しました。「お前は口呼吸でずっとハァハァいってる。鼻で呼吸しろ」と。

私は基本的にスパー中は鼻呼吸しかしません。どうしてもキツい時だけ口から吐き出す時があり、究極にキツい時だけ口から酸素を取り入れています。そうやって常に自分の肺を鍛えています。

単なるバイブスであり、医学的な根拠はありません。しかし誰に言われたわけでもなく、白帯の頃からずっとそうしています。ひとつ面倒なのは、鼻の粘膜が刺激されるので鼻水がよく分泌され、スパー1回ごとに鼻をかまなければならないないことです。

「じゃあいつ口呼吸するの?」「試合の時でしょ!」ということです。

聖闘士が小宇宙(コスモ)を高める時の闘法と似ています。聖闘士の中でも最も神に近い男と言われる乙女座のシャカは、日常生活ではずっと目を閉じたままです。そうやって五感の一つをセーブすることにより、その他の感覚を研ぎ澄ませて、セブンセンシズの域まで小宇宙を高めるのです。

私が知りうる限り、最強の鼻呼吸柔術家はパイ様こと”ミスターモンジバカ”フレジソン・パイシャオン選手でした。

ある年、私はブラジルのアウベス先生のアカデミーでパイシャオンの練習をいつも見ていました。そして私はパイ様がどんな時も口を真一文字に結び、一切開かないことに気付きました。

それに気付いてから、注意深く見るようにしていたのですが、本当にどんな時も1回も開かないことに驚きを隠せませんでした。

スパー相手の息がどれだけ上がっていようとも、パイ様は口を絶対に開きません。とにかく鼻呼吸しかしませんでした。

その年の世界柔術の黒帯フェザー級の決勝戦は、パイ様 vs マリオ・ヘイスというカードでした。私はパイ様が口呼吸を解禁し、セブンセンシズの域まで高めた小宇宙を爆発させ、マリオ・ヘイスを撃破するシーンを見逃すまいと、刮目して見ました。

結果、パイ様は最初から最後まで口を1ミリも開きませんでした。単なる癖だったようです。