2015年3月26日木曜日

続・世界柔術の出場資格


こんにちは、早川です。

IBJJFからの発表によると、ランキングポイントの年度の切り替えピリオドが、「世界柔術後から翌年度の世界柔術前」に変更されたようです。
http://ibjjf.org/info/ranking-information/

世界柔術の出場システムのビジョンが、ようやくあるべき姿に落ち着いてきたように思えます。過去のコラムで考察を書きましたが、この「年度切り替えのタイミング」が重要だと思っていたからです。

コラム「世界柔術の出場資格」
http://tfikebukuro.blogspot.jp/ranking

しかもIBJJFはアジア各国への救済措置としてアジアオープンの大会ランクを2014年度から3倍率に格上げしてくれたのですが、その倍率は据え置きのままのようです。その経緯を忘れてしまったのか何なのかよく分かりませんが、これは日本柔術界にとって二度お得な結果となりました。

アジアオープンは金で81ポイント、銀でも27ポイントがそのまま世界柔術の出場ポイントとして適用されるわけです。それに加えて名古屋国際が定着すれば、日本国内の選手は多くのチャンスを得ることになります。

しかし世界的な主要大会の存在を考えると、若干バランスを欠いているなという印象もあります。ブラジル人の参加者が多く、強豪ひしめく3000人以上規模のパンやヨーロッパ選手権と、800人規模で、しかも7割が日本人選手のアジアオープンがこの倍率差では、アジア(日本)優遇と見られてもおかしくはありません。

なので個人的には、現状程度の規模であれば、アジアオープンは2倍率の大会に戻して、国内の戦いのハードルをより高めておいた方が、5年後、10年後の日本柔術界の成長のためには良いのかなと思っています。

こうなっては今更どうこう言っても仕方ありませんが、この1年間新しいシステムに翻弄された選手たちがすごくかわいそうだなと思いました。吉岡さんなどは選手寿命待ったなしの状況なのに、先の見えぬ闘いを強いられてしまったと思います。。

しかしその状況下で出場資格を勝ち取った芝本、加古の両選手は、メンタル的にも相当な経験値を得られたのではないかと思っています。出場資格獲得に向けて努力した多くの選手たちも、そのプロセスで得た経験は今後に生きることでしょう。

世界柔術に出場する為には50ポイント必要ということもこのページに改めて明記されました(ついでにプロ柔術の出場には20ポイント必要ということも)。

実は最近までこの表記はなかったので、IBJJFはこの50ポイントの制度をなかったことにするんじゃないかとも私は勘ぐっていました。それはとりあえずなさそうですね。

というのも、現状では新システムがIBJJFの思惑通りに運んでいないなと感じていたからです。主要大会のメダル獲得の面子が変わらず、特定の選手だけがポイントを貯め続けている現象が起きていました。これにより、今年の世界柔術は想定よりカテゴリーごとの人数が減りそうです。

また、ランキングポイントが年齢別に加算されることも改めて明記されていました。これも誤解されている方は結構いたと思います。マスターでポイント稼いで世界柔術のアダルトに出よう的に。それは出来ないということがはっきりしました。

最後に注目すべきは、ブラジレイロ、アメリカンナショナルに続き、ブリティッシュナショナルもランキング大会に加わっていたことです。ジャパンナショナル=全日本選手権がランキング大会化する日もそう遠くないでしょう。

それが実現した後、長く続いた群雄割拠の時代?が安定に向かうと思っています。すでにその兆しがあります。他団体の乱立は、それぞれが独自の世界大会の枠組みやルールを整備していれば、一方の立場からとやかく言うことではありません。

公式、非公式などは、所詮どの組織の立場から見ているかという問題に過ぎませんので、自分んとこの主催大会は公式大会に決まっています。

私は、ルールや大会の枠組みだけ勝手にIBJJFやJBJJFに便乗してくる行為にのみ違和感を覚えていました。完全に別な組織としてお互いの道を歩めるのであれば、それが双方にとっても良いことでしょうし、選手にとっても分かりやすいと思います。