2014年8月14日木曜日
テクニックの4大原則
こんにちは、早川です。
今回はテクニックを成功させる為の4大原則について述べたいと思います。
1.正しいフォーム
2.正しいタイミング
3.正しい方向
4.最大効率のパワー
テクニックを成功させる為には、この4つを常に意識する必要があります。これはキャリアを積み重ねるうちに、いつしか私の中で確固たるものになった法則です。
私は今も毎日テクニックの創作活動を続けていますが、この法則を抜きにしては何も進まないほど重要です。
テクニックは、それ自体、あるいはその言葉の持つイメージを、原則1の「正しいフォーム」と同義語で捉えている方が多いと思いますが、私は常にこれら4つの原則を一体として考えます。
4つの原則のうち、1つでも欠けた時のことを考えてみて下さい。
例えば、シザースイープを掛けるとします。
正しいフォームで、正しい方向へ、最大効率のパワーを使って技を掛けても、タイミングがずれてしまっては、相手が岩のように重く感じて返すことは出来ないでしょう。
または、これはどうでしょうか。
正しい方向へ、正しいタイミングで、最大効率のパワーを使ったものの、肝心の技のフォームが間違っていれば、これまた相手が1ミリも動かず終わってしまうのが想像出来ると思います。
これはオフェンス、ディフェンス、どちらにも共通して言える原理です。
この原理を当てはめると、テクニックや攻防の正体が見えてくると思います。そして表面的にとらわれ過ぎていることが気にならなくなります。
例えば、「(ダブル)レッグピンをしてショルダードライブパスを仕掛けると、相手に上体を起こされてシッティングガードを作られてしまう、だからスタンドのパスガードは、レッグピンはせずにブルファイターで攻めるべきだ」という考え方があるとしたら、それは攻防の一側面しか捉えていないと思います。
この時起こった、「Aがレッグピンしたが、BはAの肩が自分の腹に刺さる前に体を起こし、シッティングガードを作った。」という現象をどう考えるか。
私が考えるに、これは4大原則のうち、「正しいタイミング」について、「AがBに競り負けた」というだけであり、それ以上でもそれ以下でもありません。この攻防においては間違ったテクニックというものは存在しないのです。
こうするとああなるから、この技はやっぱり使えない、といった思考で柔術を考えると、いたちごっこが続くだけで、本質的な部分が見えなくなってしまいます
みなさんが自分自身の経験したことに対しても、この原理を当てはめてみて下さい。今までとは違った評価が自分に対して下せるはずです。
技が決まらなかったのは、そのテクニックのメカニズムのせいとは一概に言えないということです。ほとんどの人がテクニックの構造的欠陥をすぐに疑ってしまいますが、たとえそれが正しくても、成功しないこということは、いくらでも起こりえるのです。
4つの原則のうち何が欠けていたか。またはどれが競り負けていたのか。それをいつも考えてみて下さい。
「テクニックが成功しなかったが、どう考えても2、3、4が完璧だった」としか思えなかったら、次からはもうそのテクニックは使わない方がいいです。おそらく構造的欠陥を抱えています。
「最大効率のパワーとは何か」等、各項目についての詳細は、またいずれ機会を見つけて書きたいと思います。
ところで、トライフォースには座学のクラスがありません。
コラムにて柔術論をたまに語っておりますが、私が柔術をどのように考え、どのように科学しているか、アカデミーにおいても話す機会を作ってみたいなと思っています。
これほど歴史、理論、そして技術が存在するスポーツであるにも関わらず、実技のクラスしかないのは寂しいと感じています。
他のアカデミーにおいても、座学のクラスが実施されているという話しは聞いたことありません。基本的には需要がなさそうなので、やるとしても不定期開催でしょうか。
芝本らトップの競技者たちには、普段から耳にタコが出来るほど技術論を説いています。オンライン会議室、あるいはご飯食べながら、というカジュアルな環境ではありますが。彼らが修行を進める上での一助になっていると確信しています。
理論なくして実践なし、実践なくして理論なし。