ページ

2014年10月25日土曜日

ブラジリアン柔術教則本コラム(4) メイキングストーリー


こんにちは、早川です。

本作品は、私の柔術人生のひとつの集大成ともいえる作品になりました。そのメイキングストーリーを少し書き記しそうと思います。

構想は5年前、2009年に出版社さんから企画のGoサインが出て以降、まずアカデミー内でスマートフォンによる動画の仮撮影を開始しました。スタッフ、インストラクターに手分けしてもらい、4年以上前から私の指導動画をコツコツと撮り続けました。気付いたら20時間以上撮り溜めていました

撮影と同時進行で、撮影済テクニックの取捨選択とブラッシュアップを繰り返し、グループ分けをし、教える順序を決めていきました。これが気の遠くなるような作業で、本当に4年も掛かってしまいました。途中何度か挫折しそうになりました。しかし自分自身へのチャレンジと思い、寝る間を惜しんで作業に没頭しました。

本作品は、これまでの私の著作とは趣旨が異なります。『私の得意技全集』的な物ではなく、白帯が青帯になるためのカリキュラムになっています。青帯になるためのカリキュラムということは、基本中の基本の技術を全て網羅した技術書ということになり、それはすなわち、トライフォースの技術体系を確立し、会員が学ぶべき技術要件を明確にしたということになります。

芝本をはじめとするインストラクター陣には、当初より仮撮影した動画を共有してもらい、池袋と新宿の各クラスでは、本作品の原型となるテクニックを3年前から教え始めています。それゆえに、本番で撮影の受け手を引き受けてくれた佐藤インストラクターも、DVD撮影初体験とは思えないくらいスムーズに仕事をこなしてくれていました。

2013年8月、いよいよ本番の撮影は開始したのですが、10レッスン分撮ったところで撮影は一度頓挫しました。池袋アカデミーの早朝、あるいは深夜の空き時間を利用して少しずつ撮っていたのですが、騒音が許容範囲を超えてしまいました。

過去にいくつかの著作を池袋アカデミーで撮影した時には気にならなかったのですが、今回の作品においては、私と出版社さんが求めるクオリティーが高まり過ぎていたのです。その後、出版社さんが新設する専用スタジオを使用することが決まり、そのスタジオの完成を待ち、撮影を再開したのは2014年の春でした。

池袋アカデミーで撮影した10レッスン分の動画は全て破棄し、スタジオで一から撮り直しました。写真の撮影枚数も数万枚に及びました。その中から、本で採用する写真を私自身が全てピックアップしました。キャプション(説明原稿)も途方もない分量でしたが何とか書き上げました。DVDを作る作業はもちろん大変でしたが、本を作る作業はそれを上回る労力が要りました。

動画の撮影時において大変だったことは、如何に簡潔に説明をまとめるかでした。DVDの容量の関係で、1テクニックの実演と説明に割ける時間は3分以内という制約がありました。本来であれば1テクニックにつき5分は説明したいところでしたが、与えられた時間の中で、出来る限り分かりやすく要点を詰め込みました。

ざっと思いつく限りの製作秘話でした。