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2014年6月13日金曜日

ラペル伝


こんにちは、早川です。

最近、柔術界でラペルという言葉をまたよく聞くようになりました。

トライフォースの公式用語を策定した際に、監修をお願いしていたイギリス人会員のダニエルに、「ラペルは襟の裾の部分を指すんだよね?」と確認したことがあります。

するとダニエルは「いえ違います。襟の上から下まで、全ての部分をラペルと呼びます」と教えてくれました。「カラー」は逆に襟まわりの部分のみを指すようでです。みなさん御存じでしたでしょうか。

上衣の裾の部分を指す場合、「ラペル」はOKですが、「カラー」はNGというわけです。しかし襟の部分は、「カラー」、「ラペル」、どちらもOKということになります。

現在では私の理解も進み、海外では、襟絞めのことをカラーチョークと呼ぶ派、ラペルチョークと呼ぶ派、どちらの勢力も存在することを認識しています。またそのどちらも正しい表現ということになります。

ラペルは英語では「ラペーウ」という感じで発音します。トライフォースでは、原則として英語のカタカナ表記を公用語に多く採用していますので、ラペルの方が語感は良い気がしています。

個人的な希望としては、「カラーは襟まわりのみ」、「ラペルは裾部分のみ」を指して欲しいと願っていましたが、違うものは仕方ありません。

どうしても襟と裾の部分を区別したくて、ダニエルに「裾の部分だけを指す何か良い表現はないですか」と聞いたら、「シャロウ・パート・オブ・ラペルはどうですか?」と言われた事があります。

しかし道場には馴染まなそうな表現だったので、とりあえず採用せずに今日に至っています。

ちなみに柔道着の場合、上衣の裾の部分はおそらく「下がり」と呼ばれています。しかし競技者にとってはポピュラーな用語ではないと思われます。

剣道の防具には垂(たれ)と呼ばれるパーツがあります。腰から下に垂れさがっている布製の防具です。この防具は海外でもTareと呼ばれています。

ラペルには「垂れているもの」を指す意味もあるようですので、上から下に垂れさがっている布状の物に関しては、やはり「ラペル」の一言だけでも、英語圏の人々とは共通イメージを持てるのかもしれません。

以上、私の知っているラペルのお話でした。